近況報告
心の落ち着き失せて 胸は重し。
尋ぬとも、そは
帰らずついに。
最近、詩ばかり読んでいる。映画も観ている。
時間は無いので不眠症が酷くなった。
睡眠よりも生きていくために先人の言葉を必要としている、答えを求めている。
つまり私は迷走している。
病みきっている。彼はそんな時もあると言っていた。
酒浸りだ。部屋がずっと赤ワイン臭い。
それでも仕事だけは出来るものだ。不思議なもんだ。
これだけ人間が堕ちても、機械的に動く労働者魂。
真っ赤な旗、右も左も無い。
正気も狂気も無い。もちろん未来もない。
あるのは肉の器と空の酒瓶だけで。
嫌になるのも仕方ない。
そうでしょう、だって、この世の中に確かに愛はあるのに
私には手が届かないなんて。
しかし女は簡単でよかった。
新しい洋服と美しいケーキがあれば世の中は廻っていく。
どうしようもなく、愚かで傲慢で欲張りな
そんな女を非常に愛し、非常に憎んでいる。
梨が熟れたら、私は生まれ変わるだろうか。
この空は青に戻るだろううか。
返答は無い。最初から最後まで独唱である。